こんにちは!
三共コスモスの南出です。
マンションや新築戸建てを購入する際は、「将来どんな家が建てられるんだろう…?」など、建て替え時の建築制限などを気にする人は少ないですよね。
しかし、土地や古い時期に建築された中古戸建の購入を検討している人にとっては、建築制限を気にする必要があります。
そのような人にとって注意すべきポイントのひとつに「法令上の制限」があります。
その中でも、特にトラブルが多いのが市街化調整区域の土地です。
今回は市街化調整区域について、簡単に紹介します。
マイホームや投資物件を購入するにあたり、知っておきたい不動産の知識を紹介していきます。
お読みいただいた人に役立つ情報となれば嬉しいです。
市街化調整区域=トラブルの温床?
かつて、原野や山林などの価値が低い土地を「将来値上がりする」などと謳い、高額で販売した原野商法が社会問題となりました。
この手口では、建物を建てることが困難な市街化調整区域の土地が数多く使われたため、現在でも「市街化調整区域=怪しい土地」というイメージを持たれる方が少なくありません。
2023年にも、抱き合わせ融資として摘発され、大きなニュースとなりました。
原野商法とは
開発の見込みがほとんどない山林や原野を「リゾート地開発予定」「鉄道が通る」などと虚偽の説明をして販売する詐欺的な商法です。現在でもこの手口の被害者が後を絶ちません。
市街化調整区域って何?
市街化調整区域は、都市計画法に基づいて定められた都市計画区域の中で、都市の無秩序な拡大を防ぐために、開発や建築を原則として抑制する区域です。
簡単に言えば、「街づくりを進めない場所」です。
都市計画法と都市計画区域とは?
- 都市計画法:街の秩序ある発展を目指すための法律。道路、上下水道、公園、住宅地や商業地の配置などを計画的に整える。
- 都市計画区域:都市計画を実施する区域。大きく分けて以下の3つがあります。
都市計画区域の分類
- 市街化区域
→ 街づくりを積極的に進めるエリア。インフラ(道路、公園、水道など)が整備され、建築も可能。 - 市街化調整区域
→ 街づくりを抑えるエリア。原則として建物の建築はできない。 - 非線引き区域
→ 市街化区域・調整区域の区分がされていないエリア。

市街化調整区域で建築可能なケース
「市街化調整区域=絶対に建てられない」と思われがちですが、例外的に建築が認められるケースがあります。
A:知事の許可が不要な建築物
- 農林漁業を営むための施設や、その従事者が住む住宅
- 公共施設(駅舎、図書館、公民館など)
- 既存の適法建築物に付属する建築物(例:納屋、車庫、倉庫など)
B:すでに宅地としての利用が認められた土地
- すでに住宅などが建っており、宅地としての利用がされていた土地に限り、小規模な店舗や住宅の建て替えなどが可能です。
C:開発許可を得た土地
- 宅地開発業者が都市計画法に基づく開発許可を得た土地であれば、一定の用途で建築が可能です。
市役所の窓口(建築指導課など)に行って、対象地が再建築可能かどうかを確認しましょう。
市街化調整区域の土地を買うときの注意点
市街化調整区域の土地を購入しようとする場合、以下の点を必ず確認しましょう。
確認事項
- その土地に建物が建てられるか?
→ 市役所や役場で「都市計画課」などに相談しましょう。 - 建てられるとしても、どういう建物か?
→ 自由な住宅建築や事業利用ができない可能性があります。 - 将来的な売却は可能か?
→ 法令制限により、売却が困難になる場合があります。資産価値にも影響します。
不動産会社の仲介により市街化調整区域内の土地・建物を購入する場合は、担当者が窓口で調査をしているはずです。
契約前に詳細を教えてもらい、安心して話を進めていきましょう。
最後に
市街化調整区域は、都市の健全な発展を守るために必要な制度ですが、不動産購入者にとっては「思わぬ制限」となる可能性があります。
トラブルを未然に防ぐためには、事前に制限内容をしっかり確認することが最も大切です。
ポイント
市街化調整区域を検討するときは再建築可能かどうかを管轄市役所窓口で確認すること
上記の事だけでも覚えてもらえると嬉しいです。
次回は、用途地域についての解説をしたいと思います。
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