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生前に自宅を売却するか、相続財産にするか|税金と実務の注意点

2025.12.20

 

生きているうちに自宅を売却するか、

子どものために資産として残し続けるか。
 

この選択肢で悩んでいる方は、とても多いのではないでしょうか。

実際、私自身もこの手のご相談を受けることがあります。
ただ、この問題に明確な正解はありません
 

ご家庭の環境や家族構成、資産状況によって、どちらが良いかは大きく分かれます。

 

そのため、不動産屋として私がお伝えできるのは、
「いま売却した場合はどうなるのか」
「相続した場合はどうなるのか」
という、事実と選択肢を整理することに尽きます。

生きているうちに自宅を売却する場合、税制面で大きなポイントとなるのがマイホームの3,000万円特別控除です。

 

40年ほど前に自宅を購入された方の多くは、土地・建物ともに現在よりはるかに安い価格で取得しているケースが少なくありません。
また、そのようなケースでは、購入時の売買契約書を紛失してしまっていることもよくあります。

 

都心部であれば極端な値上がりにより譲渡所得が発生することもありますが、八潮市・草加市周辺の取引価格帯であれば、概算取得費と3,000万円控除の適用により、譲渡所得税が発生しないケースがほとんどです。

一方で、自宅を相続財産として残し、相続人である子どもが売却する場合。
ここで本当によくあるのが、親が購入した際の売買契約書などの書類が一切残っていないというケースです。

 

この場合、売却価格から控除できるものは諸経費と概算取得費のみとなり、想定以上に多額の譲渡所得税が発生してしまうことも少なくありません。
 

これは決して珍しい話ではなく、実務の現場では何度も目にしてきました。
そのたびに、何とも言えない気持ちになります。

 

もっとも、小規模宅地等の特例による評価額の減額や、相続財産が一定の条件を満たす戸建住宅であれば、空き家の3,000万円特別控除が利用できる可能性もあります。

そのため、「売却と相続のどちらが絶対に得か」と一概に言えるものではありません。

相続不動産を巡って兄弟間で揉めてしまったり、一人の相続人が善意で代表となり、煩雑で大変な売却手続きを背負うことになったり。

 

そうした場面を実務を通して数多く見てきた立場として、
もし自分自身がこの問題と向き合う立場になったとしたら、
生きているうちに一度清算する選択をするだろうと感じています。

自宅を売るか、相続財産として残すか。 この判断に正解はありません。

ただし、『いま売ったらどうなるか』『相続財産として残したらどうなるか』を事前に知っておくだけで、将来の選択は大きく変わります。

 

八潮市・草加市で自宅の売却や相続不動産についてお悩みの方は、 売却を前提としないご相談でも構いません。

将来のための状況整理として、お気軽にご相談ください。

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