こんにちは!
三共コスモスの南出です。
前回までに、『空き家』の定義と、罰則が科される『特定空家等』の条件や罰則内容について書いてきました。
重い罰則が科される特定空家等、行政からしてもそう簡単に指定するわけにはいかないと思います。
そこで、令和5年に改正された空き家特措法では、新たに『管理不全空家等』というカテゴリーが設けられました。
今回は、その『管理不全空家』について、どのような場合に指定されるのか、また罰則の内容をご紹介していきます。
ご興味のある方はぜひ最後までお読み頂けると嬉しいです。
『管理不全空家等』とは
まず、『管理不全空家等』の定義についてふれていきます。
空家等対策の推進に関する特別措置法(空き家特措法)によると、
第13条1項(定義)
空家等が適切な管理が行われていないことによりそのまま放置すれば特定空家等に該当することとなるおそれのある状態にあると認めるとき
上記のように規定されています。
このまま放置すれば『特定空家等』と化してしまう可能性がある空き家のことで、特定空家等予備軍のような状態の空き家ですね。
今後も空き家の増加が見込まれる中、周囲に著しい影響を及ぼす『特定空家等』を未然に防止するために新たに作られたカテゴリーです。
ネーミング的にも、『特定空家』より『管理不全空家』の方が分かりやすい印象です。
指定されるとどうなるか
管理不全空家等に指定されると、管理指針に即した措置をとるよう、市区町村長から指導を受けることになります。
指導を受けたにもかかわらず、なお状態が改善されず、そのまま放置することで特定空家等と化してしまうおそれが大きい場合、具体的な防止措置について勧告を受けます。
勧告を受けた管理不全空家は、固定資産税の住宅用地特例(1/6等に減額)が解除されてしまいます。
八潮市では多くのお家が土地30~40坪、建物30坪前後だと思います。
上記のような通常の大きさのお家ですと、今までお支払いされていた固定資産税額が6倍になります。
固定資産税年額5万円を払ってきた方は、30万円に跳ね上がります。
恐ろしいですね…
指定する基準について
国土交通省のホームページで、現行の特定空家のガイドラインを基本として、4つの観点(保安上危険、衛生上有害、景観悪化、周辺の生活環境への影響)の「放置した場合の悪影響」ごとに、「特定空家の状態」「管理不全空家の状態」の例が提示されています。
下記、その一部をご紹介いたします。
建築物:構造部材の破損、腐朽、蟻害、腐食等
擁壁:擁壁のひび割れ等の部材の劣化、水のしみ出し又は変状 等
景観:補修等がなされておらず、屋根ふき材、外装材、看板等の色褪せ、破損又は汚損が認められる状態等
汚水:排水設備の破損等又は封水切れ 等
衛生:駆除等がなされておらず、常態的な動物等の棲みつき等が敷地等に認められる状態
具体的な基準は地域の実情等を踏まえて作成され、市区町村により異なります。
最後に
今回は『管理不全空家等』についてご紹介しました。
いきなり『特定空家等』に指定されるのではなく、まずは『管理不全空家等』に指定されることにより、空き家所有者の方、また行政にとっても空き家の改善に取り組みやすくなったのではないかと思います。
相続登記の義務化や相続空き家の特例の延長など、空き家問題を解決するためには様々な取り組みがされています。
八潮市の地域密着不動産会社として、市内の空き家問題について改善できるよう、空き家管理・賃貸・売却など多角的なご提案とサポートをさせていただきます。
ぜひお気軽にご相談ください!
次回は『空き家を所有した場合の選択肢』について解説していく予定です。
よろしくお願いします!