こんにちは!
三共コスモスの南出です。
前回(不動産の競売手続きについて)は、競売の種類と基本的な流れについて紹介していきました。
今回はその続きとして、競売不動産は誰が何を見て購入しているのかについて書いていきます。
任意売却は不動産所有者が安心して売却できるように、競売は買受人に安心して購入してもらいたいという思いで書いています。
ご興味のあるかたはぜひ見ていただけると嬉しいです。
競売は誰が購入できるのか
原則として誰でも購入可能
不動産競売は、裁判所を通じた公的な売却手続きであり、特別な資格や業者登録がなくても、個人・法人を問わず誰でも入札に参加することができます。
必要なのは、保証金の納付と正しい入札手続きのみです。
一般の購入希望者も、適切に準備すれば落札することが可能です。
債務者本人は購入できない
一方で、競売にかけられている不動産の債務者本人(=競売申立ての対象となった人)は、その物件を自ら買い戻すことはできません。
これは、制度の悪用を防ぐための規定であり、債務者が自ら競売に参加することは禁止されています。
債務者以外の所有者は購入可能
ただし、競売対象となっている不動産が、債務者以外の者が所有者となっている場合(物上保証人など)では、債務者以外の共有者が競売に参加して、物件全体を購入することは可能です。
このようなケースでは、物上保証人が他の第三者に落札されるのを防ぐために、自ら入札することもあります。
競売物件の資料について
競売で不動産を購入する際に、最も重要な情報源となるのが「3点セット」です。
これは、裁判所や専門のインターネットサイト(BITなど)で公開されており、誰でも無料で閲覧・ダウンロードが可能です。
1.現況調査報告書
裁判所の執行官が物件を実際に調査した内容がまとめられた報告書です。
・建物の構造や間取り、使用状況、設備の有無などの詳細
・物件の占有者の有無(誰が住んでいるか)や居住実態
・外観写真や室内写真などの現況記録
この報告書を見れば、物件の現状をある程度把握することができます。
競売では基本的に物件の中まで自分で確認することはできないため、貴重な情報源となります。
ただし、占有状況が変わる可能性があるので、現地に行って自分の目で現状の確認をする必要があります。
2.評価書
不動産鑑定士が作成する書類で、物件の市場価値を評価したものです。
・土地建物の価格
・近隣相場や取引事例をもとにした価格分析
・建物の老朽化や法令制限などの影響
これにより、競売にかけられている価格が妥当かどうかを判断する材料になります。
基本的には、評価額に基づいて競売不動産の売却基準価額が決定されます。
売却基準価額は、下記期間入札公告で確認する必要があります。
3.物件明細書
裁判所が作成する、法的・登記的な情報をまとめた書類です。
・抵当権や差押えの有無
・共有者や借地権、賃借権の存在
・買受後に引き継がなければならない権利や負担
特に重要なのは、入札後に不利な条件を負わされるリスクの有無を事前に確認できる点です。
そのため、一般の買受希望者にとって一番大事な資料といえます。
ただし、物件の占有状況等が変化する可能性があるため、現地の状況を自分で確認する必要があります。
期間入札公告
競売物件ごとに裁判所が発表する「期間入札公告」には、以下の情報が記載されています。
・入札期間(通常1週間)
・売却基準価額(最低入札額)
・保証金額(入札時に必要)
・開札日(落札者が決定する日)
これにより、入札のスケジュールや必要な手続きの全体像が把握できます。
公告書に『民事執行法の63条2項1号に基づく買受申出額は〇〇〇万円である』旨記載がある場合は、その額を超える入札金額で入札しなければ、最高価買受申出人にはなれません。
最後に
競売不動産の購入条件と資料について簡潔にまとめました。
いまは法律も変わり健全な取引ができますが、昔はブローカーのような人が購入検討者へ嫌がらせをするといった事がよくあったそうですね。
健全ではありますが、思わぬトラブルが起こり得るのが競売だと思います。
実際に購入する際には、『3点セットの記載内容を理解すること』『必ず現地(外観)を確認すること』が必須です。
そのうえで、通常取引同様、都市計画法や建築基準法等に係る知識があるとより安心できると思います。
当社は八潮市を中心に、売買仲介・賃貸仲介・賃貸管理・買取・空き家管理を行っています。
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