こんにちは!
三共コスモスの南出です。
前回の更新では、競売の期間入札における公告から入札までの手続きを順に紹介しました。
今回は、その続きとなる開札から引渡しまでについてを紹介していきます。
任意売却は不動産所有者が安心して売却できるように、競売は買受人に安心して購入してもらいたいという思いで書いています。
ご興味のあるかたはぜひ見ていただけると嬉しいです。
開札から登記・引渡しまでの流れ
競売物件は入札して終わりではなく、落札後に「売却許可決定」「代金納付」「登記」「引渡し」といった重要な手続きが続きます。
この流れを理解しておくことが、トラブルのない不動産取得につながります。
以下では、開札から不動産の引渡しまでの流れを順を追って解説します。

・開札
入札期間が終わると、あらかじめ公告されていた開札期日に開札が行われます。
一番高い金額で入札した人が「最高価買受申出人」として選ばれます。
その次に高い人は「次順位買受申出人」となり、万一のときに繰り上げで落札者になることがあります。
最高価買受申出人の提供した保証はそのまま裁判所が預かりますが、その他の入札者が提供した保証は、開札後に返還手続きがとられます。
・売却許可決定
開札の後、裁判所は売却許可決定を行います。
これは、最高価買受申出人が不動産を正式に取得することを裁判所が認める判断であり、買受手続きの中で極めて重要なステップです。
最高価買受申出人が不動産を買い受ける資格を有しない場合など、一定の場合には売却が許可されないこともありますが、多くの場合は売却が許可され、これにより最高価買受申出人は買受人となります。
売却許可決定は、通常開札から1週間ほどでなされ、そこからさらに1週間ほどで「確定」となります。
売却許可の決定に対しての不服申立てとして執行抗告の申立てがあったような場合は、それについての判断が出るまでに数カ月程度かかることもあります。
・代金の納付
売却許可決定が確定すると、買受人に対して、代金納付期限通知書が送達されます。
売却許可決定の確定日から1~2か月程度の間に上記通知書が送達されことが多いです。
納付手続きは、通常、代金納付期限通知書に同封された保管金振込書をもって最寄りの金融機関から振込をします。
金融機関の領収印のある保管金受入手続添付書を受け取り、それを裁判所に提出します。
▼ 注意点:
- 納付期限を過ぎても代金を納めないと、買受人の資格を失います。
- その場合、入札時に預けた保証金は没収され、返還されません。
- 不動産は次順位買受申出人が買い受ける可能性があります。
資金計画は早めに立て、納付期日に間に合うよう準備しましょう。
所有権移転登記
代金の納付が完了すると、裁判所は職権で買受人名義の所有権移転登記を行います。
通常は買受人が手続きする必要はなく、裁判所の担当書記官が行います。
代金納付の際に、下記書類等を提出します。
①登録免許税
②郵便切手
③買受人の住民票(資格証明書)
④対象不動産の評価証明書
不動産の引渡し(引渡命令)
不動産に元の所有者や賃借人などの占有者がいる場合、そのまま引渡しを受けられないことがあります。
このようなとき、買受人は裁判所に対して「不動産引渡命令」の申立てを行うことができます。
通常は代金を納付した日から6ヶ月の期間内です。
6ヶ月間の明渡猶予が認められる建物の賃借人に対しては、代金納付の日から9ヶ月以内とされています。
この命令の裁決がされ、確定すると、買受人は執行官に対して、占有者等を強制的に立ち退かせる強制執行の手続きを求めることができます。
※ただし、正当な権利を持つ占有者(例:抵当権設定前の賃借人など)がいる場合は、引渡命令の対象外となるため、事前の調査が重要です。
最後に
競売物件の取得は、入札だけでなくその後の手続きがスムーズに行えるかどうかが成功のカギです。
- 開札 → 売却許可決定 → 代金納付 → 登記 → 引渡し(引渡命令)
この一連の流れを理解し、スケジュールや書類、資金の準備を万全にしておくことが、トラブルを避けるうえで大切です。
不明点があれば、司法書士や不動産の専門家に相談することをおすすめします。
当社は八潮市を中心に、売買仲介・賃貸仲介・賃貸管理・買取・空き家管理を行っています。
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