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不動産の価格交渉で後悔しないために知っておくべきこと

2025.12.15

 

新築中古問わず、不動産取引において高確率で起きる価格交渉。

不動産を購入する時も売却する時も、 購入する方は「できるだけ安く」、売却する方は「できるだけ高く」取引したいと考えるのが自然です。

価格交渉の基本的な流れは、購入を検討している方が希望価格を提示し、それに対して売主が可否を判断するというものです。

 

仲介業をしていると、購入を検討中のお客様から

「この物件は値段が下がりますか?」

と聞かれることがよくあります。

 

購入を考える立場からすれば、当然気になるポイントでしょう。

ただし、実務上の価格交渉は、その物件を購入する意思が固まっていることが前提になります。

 

例えば、3,980万円で販売されている物件に対して、 購入希望価格3,900万円で申込みを行うケースを考えてみます。

 

  • 売主が承諾 → 3,900万円で成約
  • 売主が拒否 → 3,980万円でも購入するかを再度確認
  • 売主が条件提示 → 「3,950万円ならOK」などの折衷案

 

このように、申込書を提出して初めて、価格交渉が成立するかどうかが判断されるのが一般的です。

 

価格交渉ができるかどうかを最終的に決めるのは、所有者である売主です。

そのため、仲介業者が事前に明確な答えを知っていることは基本的にありません。

 

例外として、売主があらかじめ「価格交渉を前提とした金額設定」をしている場合、 一部の仲介業者がある程度の感触を把握しているケースはあります。

 

注意したいのが、値下げ可能な物件に対して仲介業者が、

「この物件は〇〇万円まで交渉できます!」

と断言して申込みを促すケースです。

 

例えば、3,980万円の物件に対して3,800万円で申込みをし、 1週間後に契約予定としていたとします。

ところが、その申込みから1時間後に、3,980万円満額での申込みが入った場合、 売主はどちらを選ぶでしょうか。

 

高い確率で、満額の申込みが選ばれますよね。

 

つまり、営業マンの言葉を正確に言い換えると、

「(契約までに、より条件の良い申込みが入らなければ)〇〇万円まで交渉できる」

という意味になります。

 

そもそも、自身の所有物ではない以上、価格を断言すること自体良くない事だとは思うため私にはできないです。

 

このようなトラブルは、昔は比較的よく見られたようですが、 最近では交渉幅を大きく取らず、満額前提で取引するケースが増えていると感じます。

 

価格交渉には、

  • 希望条件で購入できる可能性
  • 交渉したことで他の購入希望者に先を越されるリスク

の両面があります。

実務上、価格交渉は「購入する意思が固まっていること」を前提に、申込みと同時に行われます。

そのため、単に「値段は下がりますか?」と事前に聞いても、 明確な答えが出ないのが通常です。

 

また、価格を断言する営業マンの言葉を鵜呑みにしてしまうと、 交渉中に他の購入希望者が現れ、 結果として購入のチャンスそのものを逃してしまうリスクもあります。

 

一方で、価格交渉そのものは決して悪い行為ではありません。

物件の状況や売主の事情、市場動向を踏まえた上で行う価格交渉は、 不動産取引においてごく一般的なものです。

 

大切なのは、

  • 価格交渉のメリット・デメリットをきちんと説明してくれるか
  • 交渉が成立しなかった場合の選択肢まで整理してくれるか
  • 売主・買主双方の立場を踏まえて助言してくれるか

といった点を基準に、信頼できる不動産担当者を見極めることです。

 

不動産の購入・売却は、多くの方にとって人生で何度も経験するものではありません。

だからこそ、価格だけに振り回されるのではなく、 納得感のある取引を目指して、慎重に進めていきましょう。

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