年を重ねた親に、近くに住んでほしい。
今の家は古くて段差が多いので、暮らしやすい家に移ってほしい。
そんな理由で、親の住まいを子どもが買うというご相談が増えています。
親が自分で買えればよいのですが、年齢の関係で住宅ローンを組めない、組めても返済期間がとても短くなる、ということが少なくありません。
そこで、子どもが買って親に住んでもらう、という形を考える方が多いのです。
ただ、住宅ローンは本来「自分が住む家」のためのローンです。
親が住む家を子どもが買う場合、使えるローンが限られたり、税金の扱いが変わったりします。
この記事では、親が住む家を子どもが買うときに気をつけることを、八潮市で不動産仲介・買取を行う当社の立場から解説します。
住宅ローンは「自分が住む家」が原則
子どもが住まない家は、普通の住宅ローンが使えないことがある
住宅ローンは、借りる本人が住む家を買うためのローンです。
金利が低く、返済期間も長く組めるのは、本人の住まいという生活の土台を買うためのものだからです。
そのため、子どもが買って親だけが住む家には、普通の住宅ローンが使えないことがあります。
ローンを借りたあとで、実は本人が住んでいないことがわかると、ローンの契約違反として一括で返すよう求められることもあります。
「とりあえず自分が住むことにして借りておこう」という考え方は、絶対にやめましょう。
親が住む家に使えるローン
親が住む家を子どもが買うときに、検討できるローンは次のとおりです。
| ローン | どんなローンか | 注意点 |
|---|---|---|
| 親族居住用の住宅ローン | 本人ではなく、親などの親族が住む家のためのローン | 扱っている金融機関が限られる |
| フラット35 | 本人または親族が住む家に使える、全期間固定金利のローン | 物件が技術基準に合っている必要がある |
| セカンドハウスローン | 本人が週末などに使う、2つめの住まいのためのローン | 金利が高め・審査が厳しめ。親の住まいに使えるかは金融機関しだい |
| 親子リレー返済・親子ペアローン | 親子で返済する、または親子それぞれが借りるローン | 同居が条件になることが多い |
いちばん検討しやすいのは、親族が住む家にも使える住宅ローンです。
全期間固定金利のフラット35も、申し込む本人または親族が住む家であれば使えます。
民間の銀行でも、親族が住む家に貸してくれるところはありますが、扱っていない銀行も多く、条件も金融機関ごとに違います。
セカンドハウスローンは、本人が別荘や週末の住まいとして使う家のためのローンなので、親が住む家に使えるかどうかは、金融機関によって判断が分かれます。
どのローンを使う場合も、物件を決める前に、金融機関に「親が住む家を買いたい」と伝えて、使えるかどうかを確かめておくことが大切です。
物件を気に入って申し込んだあとで、ローンが使えないとわかると、また探し直しになってしまいます。
事前審査の受け方は「住宅ローンの事前審査、いつ・どう受ける?」で紹介しています。
今の住宅ローンが残っていると、借りられる額が減る
子どもがすでに自分の家の住宅ローンを返している場合は、2本目のローンになります。
金融機関は、すべてのローンの返済額が年収に対してどのくらいかを見て、貸せる額を決めます。
フラット35の場合、年収400万円以上の方なら、すべてのローンの年間返済額が年収の35%以内であることが目安です。
今のローンの返済が大きいと、親の家のために借りられる額は少なくなります。
借りられる額がわかってから物件を探すほうが、無理のない予算を立てられます。
名義は誰にするか
子どもの名義にする
子どもがローンを借りて買う場合は、家の名義も子どもにするのが一般的です。
お金を出した人と名義が一致しているので、税金の面でもわかりやすい形です。
親が亡くなったあとも、家は子どもの名義のままなので、相続の手続きは必要ありません。
ただし、きょうだいがいる場合は、親の住まいを1人の子どもが持つことについて、家族で話しておくと安心です。
親がお金を出すなら、出した分を親の名義にする
親が貯金や今の家を売ったお金で代金の一部を出す場合は、出した割合に合わせて、親と子どもの共有名義にするのが基本です。
親がお金を出したのに名義を子どもだけにすると、親から子どもへの贈与とみなされ、贈与税がかかることがあります。
反対に、子どもが出したお金で親の名義にすると、子どもから親への贈与になります。
名義と資金の組み合わせ
| 誰がお金を出すか | 名義 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 子どもがローンで全額 | 子ども | 住宅ローン控除は原則使えない(下で説明) |
| 親と子どもで分けて出す | 出した割合で共有 | 割合と名義がずれると贈与税の心配 |
| 親が全額(現金) | 親 | 親が亡くなったら相続の手続きが必要 |
名義や贈与税の判断は、ご家庭の状況によって変わります。
親がお金を出す場合は、契約の前に税理士や税務署に確かめておきましょう。
税金で気をつけること
住宅ローン控除は、原則として使えない
住宅ローン控除(住宅ローン減税)は、借りた本人が、買った家に住んでいることが条件です。
子どもが借りて親だけが住む家では、原則として住宅ローン控除は使えません。
住宅ローン控除があるつもりで返済計画を立てていると、毎年の手取りが思ったより少なくなります。
控除がない前提で、返済できるかを考えておきましょう。
親から子への住宅資金の贈与の特例も使えない
親や祖父母から、家を買う資金の贈与を受けたときに、一定額まで贈与税がかからない特例があります。
ただ、これは贈与を受けた子どもや孫が、自分で住む家を買うときのための特例です。
親が住む家を買う場合には使えません。
親から家賃を受け取るかどうか
子どもの名義の家に、親が家賃を払わずに住む場合は、通常は大きな税金の問題にはなりにくいとされています。
親から家賃を受け取る場合は、子どもの不動産所得として、確定申告が必要になることがあります。
将来、家を売るとき
自分が住んでいる家を売ったときは、売って出た利益から最大3,000万円を差し引ける特例があります。
ただ、子どもが住んでいない家を売る場合は、この特例は原則として使えません。
親が施設に入った、親が亡くなった、といった理由で家を売ることになったときに、思わぬ税金がかかることもあります。
将来の売却まで考えて、どんな家を選ぶかを決めておくと安心です。
親が暮らしやすい家の選び方
一戸建てか、マンションか
親が住む家を選ぶときは、子どもが住む家とは、見るところが少し変わります。
| 一戸建て | マンション | |
|---|---|---|
| 階段・段差 | 2階建てが多く、階段がある | ワンフロアで暮らせる。エレベーターがあれば上り下りも楽 |
| 管理 | 草取り・外壁の手入れなどを自分で | 共用部分は管理会社が行う。管理費・修繕積立金がかかる |
| 防犯・見守り | 戸締まりの確認が必要 | オートロックや管理人がいる建物も |
| 価格 | 土地があるので価格は高め | 築年数のたった中古なら、手ごろな価格のものもある |
ひとり暮らしや夫婦2人の親であれば、ワンフロアで暮らせて手入れの少ないマンションを選ぶ方も多いです。
中古マンションは、築年数がたったものなら、比較的手ごろな価格で探すことができます。
ただし、フラット35を使う場合、マンションは床面積が30㎡以上必要です。
また、古いマンションでは、ローンの条件に合わないこともあるので、気になる物件があれば、早めに確かめておきましょう。
親の目線で見ておきたいところ
内見のときは、親が毎日暮らす場面を思い浮かべながら見ることが大切です。
- 玄関や浴室に段差がないか、手すりを付けられるか
- エレベーターがあるか(マンションの場合)
- スーパー・病院・薬局が歩いて行ける範囲にあるか
- バス停や駅までの道に、坂や交通量の多い道がないか
- 子どもの家から、すぐに駆けつけられる距離か
できれば、一度は親と一緒に内見して、実際に歩いてもらうことをおすすめします。
中古住宅の内見で見るところは「中古一戸建ての内見で、どこを見ればいい?」で、諸費用の目安は「中古一戸建てを買うときの諸費用はいくら?」で紹介しています。
八潮市で親の住まいを探すとき
八潮市は、つくばエクスプレスの八潮駅の周りに、マンションやスーパー、病院が集まっていて、車を使わずに暮らしやすいエリアがあります。
一方で、駅から離れた地域では、買い物や通院に車やバスが必要になることもあります。
当社にも、離れて暮らす親を近くに呼びたい、親を自分の家の近くに住まわせたい、というご相談が寄せられます。
親が車を手放したあとも暮らせるかどうかを考えると、駅やバス停、スーパーへの距離は、思っている以上に大切です。
八潮駅の周りの暮らしやすさは「八潮駅周辺の住みやすさ」で紹介しています。
まとめ
- 住宅ローンは本人が住む家が原則。親が住む家には、普通の住宅ローンが使えないことがある
- 親族が住む家にも使えるローンやフラット35を、物件を決める前に金融機関に確かめる
- 名義は、お金を出した人と割合に合わせる。ずれると贈与税の心配がある
- 子どもが住まない家では、住宅ローン控除や住宅資金の贈与の特例は原則使えない
- 親の目線で、段差・エレベーター・買い物や通院の便を確かめる
親の住まいを子どもが買うときは、物件探しより先に、ローンと名義の見通しを立てておくことが大切です。
順番を間違えなければ、親にとっても子どもにとっても、安心できる住まいを見つけられます。
三共コスモスにご相談ください
三共コスモスは1990年の設立以来、八潮市を中心に、草加市・三郷市などで不動産の仲介・買取を行ってきました。
親の住まいを探したいというご相談では、使えるローンの確認から、親が暮らしやすい物件の選び方まで、順を追ってお手伝いします。
相続や名義のことは、当社代表が運営する南出行政書士事務所と連携してご相談いただけます。
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