相続した土地や、長く持っている土地を売ろうとして、不動産会社から「この土地は住宅ローンが使いにくいので、売るのに時間がかかるかもしれません」と言われることがあります。
道路への接し方が足りない、土地が小さい、細い通路の奥にある、といった土地です。
家や土地を買う方の多くは、住宅ローンを使います。
そのため、ローンが組みにくい土地は、買える人が限られてしまい、なかなか買主が見つかりません。
この記事では、住宅ローンが組みにくくなる土地の見分け方と、そうした土地を手放すときの売り方の選び方を、八潮市で不動産仲介・買取を行う当社の立場から解説します。
なぜ「住宅ローンが組みにくい」と売れにくいのか
買主のほとんどは、ローンで買う
一戸建てや土地を買う方の多くは、住宅ローンを組んで購入します。
金融機関は、お金を貸すときに、買う土地や建物を担保にします。
万一返済が滞ったときに、その不動産を売って回収できるかどうかを見ているのです。
担保としての価値が低い、または売りにくいと判断された土地は、ローンを断られたり、借りられる金額が少なくなったりします。
現金で買える人に限られる
ローンが組めない土地を買えるのは、現金で買える方か、不動産会社などに限られます。
買える人が少なければ、売れるまでの期間は長くなり、価格も下げざるを得なくなります。
さらに、ようやく買いたい方が見つかっても、ローンの審査に通らず契約がなくなる、ということも起こります。
売り出す前に、自分の土地がローンを組みにくい土地かどうかを知っておくことが大切です。
住宅ローンが組みにくい土地の例
再建築不可の土地
建物を建てる土地は、原則として、幅4m以上の建築基準法上の道路に、2m以上接していなければなりません。
これを「接道義務」といいます。
接道義務を満たしていない土地は、今の建物を壊すと、新しい建物を建てられません。
こうした土地を「再建築不可」といいます。
再建築不可の土地は、担保としての価値が低く見られるため、多くの金融機関で住宅ローンを組むことが難しくなります。
住宅ローンが組みにくい土地の、代表的な例です。
再建築不可の土地については「再建築不可の不動産の売却」でくわしく解説しています。
旗竿地(細い通路の奥にある土地)
道路から細い通路が延びて、その奥に敷地が広がっている土地を、形が旗に似ていることから「旗竿地」といいます。
旗竿地は、通路(竿の部分)の幅が2m以上あれば、建物を建てることができます。
この場合は、住宅ローンも使えることが多いです。
ただ、日当たりや車の出し入れの面で好まれにくく、周りの土地より価格は低めになります。
注意したいのは、通路の幅が2mに少しだけ足りない土地です。
見た目は普通の旗竿地でも、測ってみると幅が1.8mしかなく、再建築不可だった、ということがあります。
また、通路が長い場合は、条例でさらに広い幅が求められることもあります。
面積が小さい土地(狭小地)
面積が小さい土地では、建てられる家も小さくなります。
銀行によっては、ローンを貸す土地の面積や、建物の床面積に下限を設けていることがあります。
たとえば、住宅ローンのフラット35では、一戸建ての住宅部分の床面積が70㎡以上必要です。
小さな土地で建物も小さくなると、使えるローンが限られてしまいます。
私道に面している土地
土地が面している道路が、個人などが持っている私道の場合もあります。
私道に面している土地では、その道を通ったり、水道管やガス管の工事で掘ったりするために、私道の持ち主の承諾が必要になることがあります。
承諾書がない場合、銀行や買主が購入をためらうことがあります。
私道の持ち分を持っているか、承諾書があるかを、売る前に確かめておきましょう。
道路の幅が4mない土地(セットバックが必要な土地)
前の道路の幅が4mない場合、建物を建て替えるときに、道路の中心線から2mの位置まで敷地を下げなければならないことがあります。
これを「セットバック」といいます。
セットバックした部分には建物を建てられないため、実際に使える土地は小さくなります。
もともと小さい土地では、狭小地と同じように、ローンが組みにくくなることがあります。
建物の書類がそろっていない、違反のある建物
建物が建っている土地では、建物の状態も関係します。
建築したときの検査済証がない、増築して建ぺい率や容積率をこえている、といった建物は、ローンの審査で厳しく見られることがあります。
売る前に確かめておくこと
自分の土地がローンを組みにくい土地かどうかは、次のような資料で確かめられます。
| 確かめること | 資料・確かめ方 |
|---|---|
| 前の道路が建築基準法上の道路か | 市役所で道路の種類を確認する |
| 道路に何m接しているか | 測量図・公図。なければ実際に測る |
| 土地の面積 | 登記事項証明書・測量図 |
| 私道の持ち分・承諾書 | 登記事項証明書・売買したときの書類 |
| 建物が適法に建てられたか | 建築確認済証・検査済証・建築計画概要書 |
ご自身で調べるのが難しい場合は、査定のときに不動産会社に調べてもらうこともできます。
当社でも、査定の前に道路や接道の状況を調べたうえで、売り方をご提案しています。
住宅ローンが組みにくい土地の売り方
1. お隣の方に買ってもらう
住宅ローンが組みにくい土地を、いちばん高く売れる可能性があるのが、隣の土地の持ち主です。
お隣の方にとっては、土地を買い足すことで、敷地が広くなったり、自分の土地の形がよくなったりします。
再建築不可の土地でも、お隣の土地と一緒になれば、建物を建てられるようになることがあります。
ただ、ご近所との関係があるので、直接話を持ちかけにくいという方も多いと思います。
不動産会社が間に入れば、お隣への打診から、価格の調整、契約まで進めることができます。
2. 道路への接し方を整えてから売る
接道が少しだけ足りない場合は、お隣から土地の一部を買ったり借りたりして、通路の幅を2m以上にする方法があります。
接道義務を満たせば、普通の土地として売り出せるようになり、価格が大きく変わることがあります。
また、接道義務を満たしていなくても、周りに広い空地があるなど一定の条件に合えば、建て替えの許可を受けられることがあります。
建築基準法43条2項の許可といい、市や県に相談して判断してもらいます。
どちらも時間と手間がかかるので、売るまでの期間に余裕がある場合に向いています。
3. 現金で買える方に、仲介で売る
仲介で売り出して、現金で買える方を探す方法もあります。
建て替えはせずに今の家をリフォームして住みたい方や、資材置き場・駐車場として使いたい方が、買主になることがあります。
ただ、買える人が限られるため、売れるまでの期間は長くなりがちです。
価格も、周りの土地の相場より、かなり下げることになるのが一般的です。
なお、2025年4月の建築基準法の改正で、木造2階建ての家などは、柱や壁、屋根などを大きく直すリフォームにも、建築確認が必要になりました。
再建築不可の家は、この確認を受けにくいため、大きなリフォームがしにくくなったとされています。
リフォームして住むつもりの買主にとっては、検討の材料が増えたことになります。
4. 不動産会社に買い取ってもらう
早く確実に手放したい場合は、不動産会社による買取が向いています。
買取であれば、買主がローンを組む必要がないので、ローンの審査を待つことも、審査に落ちて契約がなくなることもありません。
不動産会社は、隣地との調整や、建物の手直しなどを自社で行うことを前提に、買い取ることができます。
売り方を比べると
| お隣への売却 | 接道を整えて仲介 | 現金で買える方に仲介 | 不動産会社の買取 | |
|---|---|---|---|---|
| 価格 | 高くなりやすい | 普通の土地の相場に近づく | 相場よりかなり低め | 相場より低め |
| 期間 | お隣しだい | 長い(調整に時間) | 長い | 早い |
| 手間 | 交渉が必要 | 測量・交渉・許可 | 内見の対応 | 少ない |
| 向いている人 | お隣が土地を欲しがっている | 時間に余裕がある | 急いでいない | 早く確実に手放したい |
買取の価格は、通常の物件では仲介で売れる価格の7〜8割ほどが目安ですが、ローンが組みにくい土地では、さらに下がることがあります。
ただ、仲介で売れずに何年も固定資産税や草刈りの費用を払い続けるよりも、結果的に手元に残るお金が多くなることもあります。
買取の価格がどう決まるかは「買取価格の決まり方」で、仲介と買取の手取りの比べ方は「手元に残るお金で比べると?」で紹介しています。
迷ったら「買取保証つき仲介」という方法も
まずは仲介でお隣や現金で買える方を探し、決まった期間内に売れなければ、あらかじめ決めた価格で当社が買い取る方法もあります。
高く売れる可能性を残しながら、いつまでに手放せるかの見通しも立てられます。
くわしくは「買取保証つき仲介」をご覧ください。
八潮市の土地で気をつけたいこと
八潮市は、区画整理が進んで道路が整った地域が多い一方で、古くからの住宅地や農地だった場所の周りには、細い道や旗竿地、私道に面した土地も見られます。
当社の実感としても、相続した土地を調べてみたら、前の道路が建築基準法上の道路ではなかった、通路の幅が足りなかった、というご相談は少なくありません。
区画整理の途中の地域では、今の土地と、整理後の土地(仮換地)の形や接し方が違うこともあります。
売るときは、どちらの土地の条件で話を進めるのかを確かめておきましょう。
土地の売却の流れは「八潮市の土地の売却」で、古い家が建っている場合の考え方は「古家付き土地は、解体せずに売れる?」で解説しています。
よくあるご質問
再建築不可の土地でも、売ることはできますか?
売ることはできます。
お隣の方に買ってもらう、現金で買える方に仲介で売る、不動産会社に買い取ってもらう、といった方法があります。
建て替えができないことは、売るときに買主へ必ず説明します。
古い家が建ったままですが、解体したほうが売れますか?
再建築不可の土地では、解体しないでください。
建物を壊してしまうと、新しい建物が建てられないため、土地の使い道がさらに限られてしまいます。
古い家が建ったままで、まずはご相談ください。
荷物が残っていても、買い取ってもらえますか?
当社の直接買取であれば、荷物が残ったままでも買い取ることができます。
くわしくは「残置物(家財)がある家の売却」をご覧ください。
売ったあとに、土地や建物の問題を責められませんか?
当社の直接買取では、売主が土地や建物の不具合について責任を負わない形で買い取ることができます。
くわしくは「売却後の責任(契約不適合責任)」をご覧ください。
まとめ
- 買主の多くは住宅ローンを使うため、ローンが組みにくい土地は、買える人が限られて売れにくい
- 再建築不可、通路の細い旗竿地、狭小地、私道に面した土地、セットバックが必要な土地は、ローンが組みにくくなることがある
- 売る前に、道路の種類・接道の幅・面積・私道の承諾書を確かめておく
- 高く売るならお隣への売却や接道の調整、早く確実に手放すなら買取が向いている
- 再建築不可の土地では、建物を解体しない
ローンが組みにくい土地は、どの売り方が合うかが、土地の状況と売主のご事情によって大きく変わります。
まずは土地の条件を確かめて、いくつかの売り方を比べるところから始めてみてください。
三共コスモスにご相談ください
三共コスモスは、1990年の設立から八潮市で36年、不動産の売買に携わってきた地元の不動産会社です。
仲介も買取も行っているため、お隣への売却、仲介、買取の中から、土地の状況に合った売り方をご提案します。
- 再建築不可・旗竿地・狭小地など、住宅ローンが組みにくい土地も買取できます
- 古い家が建ったまま、荷物が残ったままでもご相談ください
- 当社が直接買い取る場合、仲介手数料は0円です
- 相続の手続きは、当社代表が運営する南出行政書士事務所と連携してお手伝いできます
買取については「八潮市の不動産買取」のページにまとめています。
ご自身の土地のある地域の相場は「八潮市の売却相場チェック」でご覧いただけます。
査定のご依頼は「八潮市の不動産売却査定」から承っています。
お電話でも承ります(048-998-6331 受付9:00〜18:00・水曜定休)。



