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親が認知症になったら、実家は売れる? 成年後見での売却の流れと、元気なうちにできる備え【八潮市】

2026.10.06

親が認知症になり、施設に入ることになった。

実家は空き家になり、施設の費用もかかるので、家を売ってその費用にあてたい。

八潮市でも、こうしたご相談が増えています。

ところが、親の判断能力が十分でない場合、家族が代わりに実家を売ることはできません。

売買の契約書に子どもが署名しても、その契約は有効にならないのです。

この記事では、親が認知症になったときに実家を売る方法と、その流れ・期間の目安を解説します。

あわせて、売却で気をつけたい税金の期限や、2026年に成立した法改正、親が元気なうちにできる備えについても、八潮市で不動産の仲介・買取を行う当社の立場からお伝えします。

 

親が認知症だと、なぜ実家を売れないのか

家を売るときは、所有者本人が売買契約を結びます。

契約を結ぶには、自分が何を、いくらで、どんな条件で売るのかを理解していることが必要です。

認知症が進み、こうした判断ができない状態で結んだ契約は、無効になります。

また、子どもであっても、本人の代わりに契約を結ぶ権限はありません。

委任状があれば売れる?

親の判断能力がしっかりしているうちなら、子どもが委任状をもらって、代理で売ることができます。

しかし、委任状を書く時点で、本人が内容を理解している必要があります。

判断能力が十分でなくなってから委任状を書いてもらっても、有効にはなりません。

不動産会社や司法書士が、本人の意思を確認します

家を売るときは、不動産会社や、名義変更の登記をする司法書士が、売主本人に会って意思を確認します。

本人が売ることを理解していないと判断されれば、取引を進めることはできません。

「家族みんなが賛成しているから」という理由では売れない、ということを、まず知っておいてください。

認知症と診断されたら、もう売れない?

認知症と診断されたからといって、必ず売れなくなるわけではありません。

症状が軽く、売ることの意味を理解して自分の意思を伝えられるなら、本人が契約することができます。

判断がつかないときは、主治医に相談してみてください。

また、売るかどうか迷っているうちに症状が進むこともあるため、早めに動き出すことが大切です。

判断能力がないときは、成年後見人が売る

本人に判断能力がないときは、家庭裁判所で「成年後見人」を選んでもらいます。

成年後見人は、本人の代わりに財産を管理し、契約を結ぶ人です。

実家を売るときは、成年後見人が売主の代わりになります。

成年後見人を選んでもらう手続き

項目内容
申し立てる人本人、配偶者、4親等内の親族など
申立先本人の住所地の家庭裁判所(八潮市・草加市・三郷市などは、さいたま家庭裁判所 越谷支部)
費用収入印紙800円と2,600円、郵便切手(数千円分)
鑑定費用医師による鑑定が行われる場合は10万〜20万円程度
主な必要書類申立書、本人の戸籍謄本・住民票、診断書、財産や収支の資料など
かかる期間の目安申立てから選任まで1〜3か月ほど

申立てのときに、子どもなどの親族を後見人の候補者にすることができます。

ただし、誰を選ぶかは家庭裁判所が決めます。

財産の内容や家族の事情によっては、弁護士や司法書士などの専門家が選ばれることもあります。

後見人がついたら、すぐ売れる?

後見人がついても、すぐに実家を売れるわけではありません。

本人が住んでいた家を売るには、もう一つ、家庭裁判所の許可が必要です。

実家を売るには、家庭裁判所の「許可」が必要

成年後見人が、本人の住まいである家を売るときは、事前に家庭裁判所の「居住用不動産処分の許可」を得なければなりません。

許可を得ずに結んだ売買契約は、無効になります。

施設に入っていても「住まい」として扱われます

注意したいのは、親が施設や病院に入っていて、今は誰も住んでいない実家でも、この許可が必要になることです。

施設を出たときに戻る家は、本人の住まいとして扱われるためです。

許可を得るときに見られること

家庭裁判所は、主に次のような点を見て、売ってよいかどうかを判断します。

  • 売る必要があるか: 施設の費用にあてる、空き家の管理が難しいなど
  • 価格が適正か: 相場より安く売っていないか
  • 本人の暮らしへの影響: 戻る家がなくなっても困らないか
  • 本人や親族の意向

申立てには、不動産会社が作った査定書や、売買契約書の案などを添えます。

査定より低い価格で売る場合は、その理由の説明も求められます。

買主が決まってから、許可を申し立てる

許可の申立ては、買主と条件がまとまり、契約の一歩手前まで進んだ段階で行います。

実務では、「家庭裁判所の許可が出ること」を条件にした売買契約を結び、許可が出てから決済・引き渡しをする形が一般的です。

そのため、買主にも事情を理解してもらい、許可が出るまで待ってもらう必要があります。

後見人による売却に慣れた不動産会社に相談すると、こうした段取りがスムーズです。

売却までの流れと、期間の目安

親が認知症になってから、実家を売って代金を受け取るまでの流れは、次のようになります。

順番やること期間の目安
1診断書をとり、成年後見の申立ての準備(戸籍・財産の資料を集める)1か月ほど
2家庭裁判所に申し立て、成年後見人が選ばれる1〜3か月ほど
3査定を受け、売り出して買主を探す(または買取の価格を出してもらう)仲介なら3か月ほど/買取なら短期間
4許可を条件にした売買契約を結び、家庭裁判所に許可を申し立てる許可まで2週間〜1か月ほど
5許可が出たら、決済・引き渡し―

順調に進んでも、半年から1年ほどかかると考えておくと安心です。

施設の費用の支払いなど、お金が必要な時期から逆算して、早めに準備を始めることが大切です。

売り出しから引き渡しまでの一般的な流れは、「八潮市で家を売るときの流れと期間」でも解説しています。

仲介と買取、どちらで売る?

後見人が売る場合も、売り方は仲介と買取のどちらも選べます。

家庭裁判所は「価格が適正か」を見るため、相場に近い価格で売れる仲介が基本になります。

一方で、建物が古い、荷物がたくさん残っている、早く施設の費用にあてたいといった事情があれば、買取を選ぶこともあります。

その場合は、なぜ買取にするのか、価格が妥当かを説明できるようにしておきます。

売り方ごとに手元に残るお金の違いは、「仲介・買取保証つき仲介・直接買取、手元に残るお金で比べると?」で試算しています。

成年後見を使う前に、知っておきたいこと

成年後見は、実家を売るためだけに使い、売れたら終わり、という制度ではありません。

使い始める前に、次のことを家族で確認しておきましょう。

後見は、原則として本人が亡くなるまで続く

今の制度では、成年後見はいったん始まると、原則として本人が亡くなるまで続きます。

後見人は、家を売ったあとも、本人の預貯金などの財産を管理し、家庭裁判所に報告を続けます。

売ったお金は、本人の財産として管理される

実家を売ったお金は、本人のものです。

後見人が管理し、本人の施設の費用や生活費のために使います。

家族が自由に使ったり、子どもに分けたりすることはできません。

専門家が後見人になると、報酬がかかる

弁護士や司法書士などが後見人になった場合は、本人の財産から報酬を支払います。

目安は月2万〜6万円程度で、管理する財産の額によって変わります。

また、申立てをしたあとは、家庭裁判所の許可がなければ取り下げることができません。

「希望した家族が後見人に選ばれなかったからやめる」ということはできないので注意してください。

売るときに気をつけたい税金の期限

親が住んでいた家を売って利益が出た場合、一定の条件を満たせば、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」を使える可能性があります。

施設に入るなどして住まなくなった家でも、住まなくなってから3年を経過する日が属する年の12月31日までに売れば、この特例の対象になり得ます。

成年後見の手続きに時間がかかると、この期限を過ぎてしまうおそれがあります。

なお、親子や夫婦など、特別な関係にある人に売った場合は対象になりません。

特例が使えるかどうかは、ほかにも条件があるため、税理士や税務署に確認してください。

2026年6月に成立した法改正 — 「必要なときだけ使える」制度へ

成年後見制度は、大きく変わることが決まっています。

2026年6月17日に民法などの改正法が成立し、6月24日に公布されました。

主な変更点は次のとおりです。

  • 「後見」「保佐」「補助」の3つの種類が、「補助」に一本化される
  • 実家の売却など、必要な事柄に限って支援を受けられるようになる
  • 必要がなくなったと家庭裁判所が認めれば、利用を終えられるようになる

成年後見の部分は、公布から2年6か月以内に始まります(遅くとも2028年12月ごろ)。

始まるまでは、今の制度で手続きをすることになります。

改正後は、「実家を売るあいだだけ」支援を受ける使い方ができるようになる見込みです。

ただ、施設の費用や空き家の管理、税金の特例の期限は待ってくれません。

改正を待つか、今の制度で進めるかは、ご家族の状況を見ながら判断することになります。

親が元気なうちにできる備え

ここまで見てきたように、親の判断能力が十分でなくなってからでは、実家を売るまでに時間も手間もかかります。

親が元気なうちなら、次のような備えができます。

元気なうちに売る、住み替える

いずれ施設に入る予定があるなら、親が元気なうちに家を売ったり、住み替えたりするのがいちばん確実です。

本人が自分の意思で決められるので、家庭裁判所の手続きはいりません。

家族信託で、管理や売却を家族に任せる

家族信託は、親が元気なうちに、実家の管理や売却を信頼できる家族(子どもなど)に任せておく方法です。

親の判断能力が落ちたあとでも、任された家族が、家庭裁判所の許可なしに実家を売ることができます。

くわしくは、当社代表が運営する南出行政書士事務所の「家族信託という選択肢」をご覧ください。

任意後見契約で、将来の後見人を自分で決めておく

任意後見は、判断能力があるうちに、将来の後見人を自分で選んで契約しておく制度です。

公正証書で契約し、判断能力が落ちたときに、家庭裁判所に監督人を選んでもらって始まります。

遺言書で、相続のときに困らないようにしておく

実家を売る話とは別に、親が亡くなったあとの相続で困らないよう、遺言書を作っておくことも大切です。

相続人の中に認知症の方がいると、遺産分割の話し合いができず、相続の手続きでも成年後見が必要になることがあります。

くわしくは「相続人に認知症の方がいるとき」で解説しています。

遺言書づくりは、南出行政書士事務所の「遺言書作成サポート」でもお手伝いしています。

よくあるご質問

後見人がついていても、査定は頼めますか?

はい、頼めます。

家庭裁判所に許可を申し立てるときには、不動産会社の査定書が必要です。

後見人の方からのご依頼も、ご家族からの事前のご相談も、どちらでもお受けしています。

親の家を、子どもが買い取ることはできますか?

後見人の判断と家庭裁判所の許可が得られれば、できる場合もあります。

ただし、価格が適正かどうかをより厳しく見られることがあります。

また、親子の間の売買では、先ほどの3,000万円の特別控除は使えません。

成年後見の申立ては、どこに相談すればいいですか?

各市の地域包括支援センターや社会福祉協議会で、制度の説明や相談を受け付けています。

申立ての書類づくりは、司法書士や弁護士に依頼することもできます。

当社代表が運営する南出行政書士事務所でも、戸籍の収集や財産の一覧づくりなどをお手伝いしています。

申立ては、提携する司法書士と連携して進めます。

実家に荷物がたくさん残っています。そのままでも売れますか?

買取であれば、荷物が残ったままでも買い取ることができます。

仲介で売る場合も、片付けの業者の手配などをご相談いただけます。

売却に必要な書類は「売却の必要書類チェックリスト」にまとめています。

まとめ

  • 親の判断能力が十分でないと、家族が代わりに実家を売ることはできない
  • 判断能力がないときは、家庭裁判所で成年後見人を選んでもらい、後見人が売る
  • 親が住んでいた家を売るには、施設に入っていても、家庭裁判所の許可が必要
  • 後見の申立てから引き渡しまで、半年から1年ほどを見ておくと安心
  • 住まなくなってから3年目の年末という、税金の特例の期限にも注意
  • 2026年6月の法改正で、必要なときだけ使える制度に変わる(遅くとも2028年12月ごろに開始)
  • 親が元気なうちなら、売却・住み替え、家族信託、任意後見、遺言書といった備えができる

三共コスモスにご相談ください

三共コスモスは1990年の設立以来、八潮市を中心に、草加市・三郷市などで不動産の仲介・買取を行ってきました。

成年後見人の方からのご売却のご相談もお受けしています。

家庭裁判所の許可に必要な査定書の作成から、許可を条件にした売買契約、決済・引き渡しまで、後見人の方や司法書士と連絡を取りながら進めます。

また、当社代表は行政書士として南出行政書士事務所も運営しており、相続や遺言の手続きもあわせてご相談いただけます。

親が施設に入ることになりそう、まだ売るかどうか決めていない、という段階でも構いません。

お気軽にご相談ください。

売り方の比較や、よくあるご質問は、「八潮市の不動産売却・無料査定」のページにまとめています。

査定のお申し込みは「無料査定」からどうぞ。

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