親から相続した実家が、兄弟の共有名義になっているというご相談をよくいただきます。
相続のときに、とりあえず平等にと考えて共有にしたものの、誰も住む予定がなく、そろそろ売りたいというケースです。
共有名義の家は、兄弟全員の同意と署名がそろえば、ふつうの家と同じように売ることができます。
ただ、兄弟それぞれに仕事や家庭があり、住んでいる場所も違うと、意見をまとめて手続きを進めるのが難しくなりがちです。
この記事では、共有名義の実家を全員で売るときの流れと、意見がまとまらないときの方法を、八潮市で不動産仲介・買取を行う当社の立場から解説します。
共有名義の家は、全員がそろわないと売れない
最初に、共有名義の家で、1人でできることとできないことを確認しておきましょう。
| 1人でできるか | |
|---|---|
| 家全体を売る | できない(共有者全員の同意と署名が必要) |
| 家を解体する・建て替える | できない(共有者全員の同意が必要) |
| 雨漏りなどの修繕をする | できる |
| 自分の持分だけを売る | できる(ただし買い手は限られる) |
持分が4分の1しかない兄弟でも、同意しなければ家全体は売れません。
持分の大きさに関係なく、全員の同意が必要という点がいちばんのポイントです。
共有の決まりや、共有にしないための相続の分け方は、グループの南出行政書士事務所のコラム「共有名義の不動産を相続したら」でくわしく解説しています。
共有者全員で売るときの流れ
全員が売ることに賛成している場合は、次の順番で進めます。
1. 名義と持分を確かめる
まず、登記事項証明書(登記簿)で、今の名義と持分の割合を確かめます。
名義が亡くなった親のままになっている場合は、売る前に相続登記が必要です。
相続登記は2024年4月から義務になっているので、早めに済ませておきましょう。
2. 窓口になる人を決める
兄弟の中から、不動産会社とのやり取りの窓口になる人を1人決めておくと、話が早く進みます。
八潮市の近くに住んでいて、実家の鍵を管理している方が窓口になるケースが多いです。
ただし、窓口の人が1人で決めてよいのは、日程の調整などの連絡までです。
売り出す価格や、値下げをするかどうかは、その都度ほかの兄弟にも確認するのが基本です。
3. 売り出す価格と、最低ラインを決めておく
査定の結果は、兄弟全員に同じ内容でお伝えします。
そのうえで、売り出す価格と、ここまでなら下げてもよいという最低ラインを、最初に全員で決めておきましょう。
購入の申し込みが入ってから兄弟の意見が分かれると、返事が遅れて買い手を逃してしまうことがあります。
価格の決め方を先に話し合っておくことが、共有の家をスムーズに売るいちばんのコツです。
4. 売買契約は、全員が売主になる
売買契約では、兄弟全員が売主として契約書に署名・押印します。
全員が同じ日に集まるのが理想ですが、遠方の方がいる場合は、委任状で代理を立てる方法や、契約書を順番に回して署名してもらう方法もご相談いただけます。
5. 決済と引き渡しも、全員の書類がそろってから
代金を受け取り、名義を買主に移す決済の日には、共有者全員の書類が必要です。
- 登記識別情報(または権利証)
- 実印と、印鑑証明書(発行から3か月以内のもの)
- 本人確認書類
- 代金を受け取る口座
登記の手続きを行う司法書士が、共有者全員の本人確認と売る意思の確認を行います。
遠方の方は、事前に面談や郵送で確認を済ませておくこともできます。
遠くに住んでいる兄弟がいる場合の進め方は「遠くに住んでいて、八潮の実家に通えない」でも紹介しています。
代金・費用・税金は、持分に応じて分ける
売れた代金の分け方
売れた代金は、持分の割合に応じて、それぞれの口座に振り込むのが一般的です。
持分と違う割合で分けると、多く受け取った分が贈与とみなされ、贈与税がかかるおそれがあります。
固定資産税や修繕費を1人が多く負担してきたなど、事情がある場合は、分け方を決める前に税理士にご相談ください。
費用の分け方
仲介手数料や、測量・解体・家財の片付けの費用も、持分の割合で負担するのが基本です。
誰がいつ立て替えるかで、あとから話がこじれることがあるので、売り出す前に決めておきましょう。
税金は、兄弟それぞれが申告する
家を売って利益が出たときの税金は、兄弟それぞれが、自分の持分の分について確定申告をします。
相続した空き家を売るときに使える3,000万円の特別控除は、条件を満たせば兄弟それぞれが使えます。
ただし、2024年1月以降に売る場合、家と土地を相続した人が3人以上いると、1人あたりの控除は2,000万円までになります。
くわしい条件は「相続した空き家の3,000万円控除」をご覧ください。
税額の計算は、税理士や税務署にご確認ください。
意見がまとまらないときの方法
兄弟の中に、売りたくない、まだ決められないという方がいる場合は、次のような方法を考えます。
住みたい人が、ほかの兄弟の持分を買い取る
兄弟の1人が実家に住み続けたい場合は、その方がほかの兄弟の持分を買い取る方法があります。
家全体の価格の目安を出し、持分の割合に応じた金額で買い取ってもらいます。
持分の買い取りに使える住宅ローンは金融機関によって扱いが違うため、早めに相談しておくと安心です。
なお、共有者の1人が実家に住んでいる場合、ほかの兄弟から、自分の持分を超えて使っている分の対価(家賃にあたるお金)を求められることがあります。
住む人と住まない人がいるときは、この点も含めて話し合っておきましょう。
自分の持分だけを売る
どうしても話がまとまらない場合は、自分の持分だけを売ることもできます。
ほかの兄弟の同意は要りませんが、持分だけを買う人は、専門に扱う業者などに限られます。
価格は、家全体の価格を持分で割った金額より、大きく下がるのが一般的です。
持分だけを売る方法と注意点は「共有持分の売却」でくわしく紹介しています。
ただ、持分を第三者に売ると、ほかの兄弟は知らない人と共有することになり、関係がこじれることもあります。
まずは、全員で売る場合の価格と並べて比べてから決めることをおすすめします。
話し合いができないときは、裁判所の手続きも
話し合いがまったくできない場合は、地方裁判所に共有物分割を求める方法もあります。
最終的に家を競売にかけて代金を分けることもあり、価格は相場より下がることが多くなります。
時間も費用もかかるため、最後の手段と考えておきましょう。
裁判の手続きは、弁護士へのご相談になります。
連絡がつかない・判断ができない兄弟がいるとき
兄弟の1人と連絡がつかない場合や、認知症などで判断ができない場合は、そのままでは売ることができません。
裁判所に財産管理人や成年後見人を選んでもらうなどの手続きが必要になります。
親や兄弟が認知症になった場合については「親が認知症になったら、実家は売れる?」で解説しています。
これから相続する方は、共有にしない分け方も
まだ遺産分割の話し合いをしていない場合は、共有にせずに分ける方法を検討しましょう。
誰も住む予定がないなら、家を売ってお金を分ける換価分割という方法があります。
最初から売ることを決めておけば、共有で残すより、売るときの手続きがずっと簡単になります。
換価分割の進め方は、南出行政書士事務所のコラム「換価分割とは」で紹介しています。
親が元気なうちなら、「実家を売って子どもたちで分けてほしい」と遺言に書いておいてもらう方法もあります(「実家を売って子どもたちで分けてほしいとき、遺言に書いておくこと」)。
よくあるご質問
持分が少ない兄弟が反対したら、売れませんか?
家全体を売るには、持分の大きさに関係なく、共有者全員の同意が必要です。
持分が少ない方でも、反対していれば売ることはできません。
反対の理由が価格や時期であれば、査定の内容を一緒に聞いていただくことで、話がまとまることもあります。
兄弟が集まれないのですが、売れますか?
売れます。
委任状で代理を立てる方法や、契約書を順番に回して署名する方法、郵送での本人確認などを組み合わせて進められます。
決済の日に全員が来られない場合も、事前に書類をそろえておけば対応できます。
買取にすると、手続きは楽になりますか?
共有者全員が同意していれば、当社の直接買取で、全員がそろう日に一度で契約と決済を済ませることもできます。
買い手を探す期間がないため、兄弟で何度も相談したり、値下げのたびに意見を合わせたりする必要がありません。
価格は仲介で売るより低くなるのが一般的なので、両方の金額を並べて比べてから決めていただけます。
まとめ
- 共有名義の家は、持分の大きさに関係なく、共有者全員の同意と署名がそろえば売れる
- 窓口になる人を決め、売り出す価格と最低ラインを最初に全員で決めておく
- 契約や決済に来られない兄弟がいても、委任状や郵送での確認で進められる
- 代金と費用は持分の割合で分けるのが基本。税金は兄弟それぞれが申告する
- 意見がまとまらないときは、持分の買い取り、持分だけの売却、裁判所の手続きを考える
- これから相続する方は、共有にしない分け方(換価分割など)も検討する
共有名義の家を売るときは、不動産の手続きと同じくらい、兄弟の話し合いが大切です。
全員が同じ情報を見て、納得して決められるように進めることが、売ったあとの兄弟の関係を守ることにもつながります。
三共コスモスにご相談ください
三共コスモスは、1990年の設立から八潮市で36年、不動産の売買に携わってきた地元の不動産会社です。
共有名義の家の売却も、名義の確認から、兄弟の皆さんへのご説明、契約・決済の段取りまで、一緒に進めます。
- 査定の結果は、兄弟の皆さんに同じ内容でご説明します(遠方の方にはお電話や郵送でも)
- 仲介で売る場合と、直接買取の場合の金額を、両方お出しします
- 遠方の方の委任状や、決済の日の段取りもご相談いただけます
- 相続の手続きが終わっていない場合は、グループの南出行政書士事務所と一緒に進められます
空き家や古い家を早く現金化したい方は「八潮市の不動産買取」もご覧ください。
売却のご案内は「八潮市の不動産売却」にまとめています。
査定のご依頼は「八潮市の不動産売却査定」から承っています。
お電話でも承ります(048-998-6331 受付9:00〜18:00・水曜定休)。



