親が亡くなり、遺産を計算してみると、相続税がかかることがわかる場合があります。
遺産のほとんどが家と土地で預貯金が少ないと、相続税を払うお金をどう用意するかが問題になります。
相続税の申告と納税の期限は、亡くなってから10か月です。
一方で、家を売るには、一般に6か月前後かかります。
遺産分割や相続登記の時間も考えると、余裕はあまりありません。
さらに、相続税の特例には、売る時期によって使えなくなるものや、売る時期が決まっているものがあります。
早く売れば安心というわけではないところが、この場面の難しいところです。
この記事では、10か月の期限から逆算する段取りと、間に合わないときの方法、売る時期で変わる特例の注意点を、八潮市で不動産仲介・買取を行う当社の立場から解説します。
まず、相続税がかかるのかを確かめる
相続税は、遺産の合計が基礎控除を超えたときにかかります。
基礎控除は、3,000万円+600万円×法定相続人の数です。
相続人が子2人なら4,200万円、配偶者と子2人なら4,800万円になります。
相続税がかかるかどうかの確かめ方は、当社代表が運営する南出行政書士事務所のコラム「相続税がかかるかの目安」で解説しています。
基礎控除を超えそうなときは、できるだけ早く税理士に相談して、おおよその税額を出してもらいましょう。
売却が必要かどうかは、税額と手元のお金をくらべて判断します。
| 確かめること | わかること |
|---|---|
| 相続税のおおよその額 | いくら用意する必要があるか |
| 預貯金、死亡保険金の額 | 売らなくても払えるか |
| 家と土地が実際に売れる価格 | 売ると、いくら手元に残るか |
相続税の計算で使う土地の評価額と、実際に売れる価格は別のものです。
売却を考えるときは、不動産会社の査定で売れる価格を確かめてください。
10か月の期限から逆算する
売却に頼る場合は、遅くとも亡くなってから3か月ほどのうちに動き始めるのが理想です。
目安の流れは、次のとおりです。
| 亡くなってから | やること |
|---|---|
| 〜1か月 | 相続人の確認、遺言書の確認、財産の洗い出し |
| 〜3か月 | 税理士への相談、不動産の査定、相続放棄をするかどうかの判断 |
| 〜4か月 | 遺産分割の話し合い、売る家を誰が相続するかを決める |
| 〜5か月 | 遺産分割協議書の作成、相続登記 |
| 5か月〜 | 売り出し |
| 〜9か月 | 買主との契約、決済(代金の受け取り) |
| 10か月 | 相続税の申告と納税 |
売り出しから決済までの時間は、4か月ほどしかありません。
買主が見つかってから決済までにも1〜2か月かかるので、実際にはかなり急ぐ必要があります。
売却の流れと期間の目安は「八潮市で家を売るときの流れと期間」で解説しています。
名義を変えないと売れない
亡くなった方の名義のままでは、家を売ることができません。
売る前に、相続した人の名義に変える相続登記が必要です。
相続登記をするには、誰が相続するかを決めて、遺産分割協議書を作る必要があります。
相続人の一人でも話し合いに応じないと、売却に進めません。
売却の順番は「相続した実家を売る前にやること」にまとめています。
兄弟で分けるなら、売り方を先に決める
兄弟で相続して、売ったお金を分ける場合は、遺産分割協議書にそのことを書いておきます。
代表者の名義にして売る方法と、全員の共有名義にして売る方法があります。
共有名義のまま売るときは、全員の同意と書類が必要です。
遠方に住んでいる相続人がいると、そのぶん時間がかかります。
くわしくは「兄弟で相続した実家を、共有名義のまま売るには」をご覧ください。
売る時期で変わる2つの特例
納税のために売るときは、売る時期に関係する特例を、先に確かめておく必要があります。
小規模宅地等の特例は、申告の期限前に売ると使えないことがある
亡くなった方が住んでいた土地は、一定の条件を満たすと、330㎡までの部分の評価額を80%減らせます。
これが小規模宅地等の特例で、相続税の額が大きく変わることがあります。
この特例は、誰が相続するかで条件が変わります。
| 土地を相続する人 | 主な条件 |
|---|---|
| 配偶者 | 条件なし |
| 同居していた親族 | 申告の期限まで住み続け、土地を持ち続ける |
| 同居していない親族 | 配偶者や同居の相続人がいないなど、厳しい条件があり、申告の期限まで土地を持ち続ける |
子が相続する場合は、申告の期限である10か月より前に売ると、特例が使えなくなることがあります。
特例が使えなくなると、納税のために売ったのに、相続税そのものが増えてしまうかもしれません。
配偶者が相続する部分と子が相続する部分の分け方によっても、結果が変わります。
遺産分割を決める前に、税理士に確かめておきましょう。
取得費加算の特例は、売る期限が決まっている
相続した家を売って利益が出ると、売った人に譲渡所得税がかかります。
相続税を払った人は、払った相続税の一部を、売った家の取得費に足せる特例があります。
取得費が増えるぶん、譲渡所得税が少なくなります。
この特例が使えるのは、相続税の申告期限の翌日から3年以内に売った場合です。
亡くなってからおおむね3年10か月が期限になります。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 売る人 | 相続や遺贈で財産を受け取り、相続税がかかった人 |
| 売る時期 | 相続税の申告期限の翌日から3年以内 |
| 手続き | 売った翌年に確定申告をする |
相続税の申告の前に売った場合でも使えますが、相続税の額が決まらないと計算ができません。
売った翌年の確定申告の時期と、相続税の申告の時期の前後も、税理士に確かめておきましょう。
空き家の3,000万円特例とは一緒に使えない
亡くなった方が一人で住んでいた古い家を売るときは、譲渡所得から3,000万円まで控除できる特例があります。
この特例と取得費加算の特例は、同じ家の売却で一緒に使うことができません。
どちらが得になるかは、税額によって変わります。
条件は「相続空き家の3000万円控除」をご覧ください。
売却が間に合わないときの方法
売る時期の都合や、買主が見つからないことで、10か月に間に合わないこともあります。
そのときに考えられる方法は、次のとおりです。
| 方法 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 手元のお金で立て替える | 相続人の預貯金で納め、売ったあとに精算する | 相続人の間で精算の取り決めが必要 |
| 預貯金の払戻し制度 | 遺産分割の前に、口座から一定額を引き出す | 1金融機関150万円まで |
| 死亡保険金を充てる | 受け取った保険金を納税に使う | 受取人に決まっているお金なので、話し合いが必要なことも |
| つなぎの借入 | 金融機関から一時的に借りる | 審査と金利がかかる |
| 買取で早く売る | 不動産会社に直接買い取ってもらう | 価格は仲介より低め |
| 延納 | 分割で納める | 申請と担保、利子税が必要。お金で一括で払えない事情が条件 |
| 物納 | 不動産などで納める | 延納でも払えない場合に限られ、条件が厳しい |
期限に遅れると、延滞税や加算税がかかることがあります。
売却が間に合うかどうかわからないときは、早めに税理士に相談して、申告と納税の方法を決めておきましょう。
申告だけは期限までに済ませる、というのが基本です。
買取なら、期間の見通しが立てやすい
当社のような不動産会社が直接買い取る方法なら、買主を探す期間がありません。
条件が合えば、早ければ数週間から1か月ほどで現金にできます。
買取の価格は、仲介で売れる価格の7〜8割ほどが目安です。
納税の期限に間に合わせるために安く売って、あとで後悔することがないよう、手元に残るお金でくらべてください。
くらべ方は「手元に残るお金で比べると?」で紹介しています。
いつまでに売れるかの見通しを持ちながら、高く売れる可能性も残したい場合は、「買取保証つき仲介」という方法もあります。
決まった期間は仲介で買主を探し、売れなければ、あらかじめ決めた価格で当社が買い取る方法です。
売ると、別に税金がかかることも忘れずに
相続税を払うために売っても、売った利益には譲渡所得税がかかります。
納税に使えるお金は、売れた金額そのものではありません。
売った金額から、次のものを引いたお金で考えます。
- 仲介手数料などの売却の費用
- 譲渡所得税と住民税
- 解体費や測量費、片付けの費用
- 相続登記の費用
譲渡所得は、売った金額から、取得費と売却の費用を引いて計算します。
相続した家の取得費は、亡くなった方が買ったときの金額を引き継ぎます。
買ったときの金額がわからないと、売った金額の5%を取得費にするため、税金が高くなることがあります。
親が買ったときの売買契約書が残っていないか、早めに探しておきましょう。
権利証などと同じ場所にしまってあることが多い書類です。
手取りの目安は「手取り計算」のページで試算できます。
譲渡所得税は売った翌年に納めるので、そのぶんのお金を残しておくことも大切です。
八潮市で実家を売るときに考えたいこと
八潮市は、つくばエクスプレスの八潮駅の周辺と、駅から離れた地域とで、買主の探し方も売れるまでの期間も変わります。
納税の期限がある場合は、この差が段取りに大きく影響します。
駅に近い土地は路線価も高く、土地だけで基礎控除の多くを使うこともあります。
一方、古い家や道路づけのよくない土地は、評価額のとおりの価格で売れないことがあります。
評価額をもとに納税の計画を立てると、売ってみたらお金が足りなかった、ということになりかねません。
おおよその価格は「八潮市の売却相場チェック」でご覧いただけます。
納税の計画には、不動産会社の査定で確かめた価格を使ってください。
荷物が残っている場合は、売り出しの準備にも時間がかかります。
どこまで片付けるかは「実家の片付け、売る前にどこまでやる?」を参考にしてください。
よくあるご質問
相続税の申告の前に、家を売ってもいいですか?
売ること自体はできます。
ただし、子が相続する場合は小規模宅地等の特例が使えなくなることがあるので、売買の契約を結ぶ前に税理士に確かめてください。
遺産分割がまとまらないまま、売ることはできますか?
売るためには相続登記が必要です。
全員が売ることに同意しているなら、法定相続分の共有名義にして売り、代金を分ける方法があります。
税金の扱いが変わることがあるので、税理士にも確かめましょう。
査定は、相続税の申告の前でも頼めますか?
はい、お受けしています。
亡くなってからの時間が短いうちに価格を知っておくと、納税の計画が立てやすくなります。
相続登記が済んでいなくても相談できますか?
はい、ご相談いただけます。
相続の手続きは、当社代表が運営する南出行政書士事務所と連携してお手伝いできます。
まとめ
- 相続税の期限は10か月で、家を売るには6か月前後かかるので、3か月ほどのうちに動き始める
- 売るには遺産分割と相続登記が必要
- 子が相続する場合、申告の期限前に売ると小規模宅地等の特例が使えないことがある
- 取得費加算の特例は、申告期限の翌日から3年以内の売却が条件
- 間に合わないときは、立て替え、買取、延納などを考える
- 納税に使えるのは、売却の費用と譲渡所得税を引いたあとのお金
納税のために売るときは、期限と特例の両方を見ながら、売る時期を決めることになります。
まず、おおよその税額と、実際に売れる価格を確かめるところから始めてみてください。
三共コスモスにご相談ください
三共コスモスは、1990年の設立から八潮市で36年、不動産の売買に携わってきた地元の不動産会社です。
仲介も買取も行っているため、期限に合わせた売り方を、同じ窓口でご提案します。
- 期限が決まっている売却のご相談もお受けしています
- 仲介の価格と買取の価格を、両方お伝えできます
- 当社が直接買い取る場合、仲介手数料は0円です
- 相続の手続きは、当社代表が運営する南出行政書士事務所と連携してお手伝いできます
- 税額の計算や申告は、税理士にご相談ください
買取については「八潮市の不動産買取」のページにまとめています。
査定のご依頼は「八潮市の不動産売却査定」から承っています。
お電話でも承ります(048-998-6331 受付9:00〜18:00・水曜定休)。



